【コーヒー】ネスレがAIで耐病・耐乾燥品種開発へ

コーヒーの香りと味わいは、世界中の人々に愛されています。しかし、近年は気候変動の影響でコーヒー豆の生産にも危機が訪れています。特に、世界のコーヒー生産量の6割を占める「アラビカ種」は、高温や病気の影響を受けやすい品種です。

そんな中、大手食品メーカーのネスレは、AIを活用して、より強く、より多くの実をつけるコーヒーの木を開発するプロジェクトを進めています。

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AIでコーヒーの遺伝子構造を解明

ネスレの科学者たちは、AIを使ってアラビカ種のコーヒーの木の遺伝子構造を解析しました。この解析により、病気や干ばつに強い性質を持つ遺伝子を発見することができるのです。

研究では、世界中の研究機関と協力して、現代のアラビカ種の起源を解明するデータベースを作成しました。AIツールと遺伝子配列決定技術を使って、望ましい性質をもつ遺伝子を発見しようと取り組んだのです。

その結果、現在のアラビカ種は、およそ35万年前頃に、2種類のコーヒー豆をかけ合わせて誕生したものであることが判明しました。また、さび病と呼ばれるコーヒーの木を枯らす病気への耐性を持つ遺伝子を発見することにも成功しました。

耐病性遺伝子を活用した品種改良へ

科学者たちが発見した耐病性遺伝子は、新しい品種の開発に活用されます。具体的には、見つけた遺伝子を活用して、より強いアラビカ種を品種改良していく予定です。

ネスレはすでに、2022年だけでも600万本以上の苗木を農家に配布し、この遺伝子情報を使った品種改良に取り組んでいます。

「我々が新しく作成した参照情報は、まるで大都市の高品質な地図のようなものです」と、ネスレの農学研究所所長であるジェローン・ダイクマン氏は話します。「この情報は、成木になったコーヒーの木の特定の性質を司る、アラビカ種の重要な遺伝子マーカーを特定するのに役立ちます。これにより、植物科学者や専門家たちが、より良く、より改良された新しいアラビカ種のコーヒー豆を発見し、選択し、品種改良していくことができるようになるでしょう」

今回の研究は、フランスの持続可能な発展のための国立研究所と共同で進められました。アメリカ、ブラジル、シンガポール、ウガンダ、フィンランドなどの研究機関も参加しています。

ネスレの取り組みは、気候変動の影響を受けやすいコーヒーの生産を守り、今後も世界中の人々がコーヒーを楽しめるようにするためのものです。

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