近年、AI技術の進化は目覚ましく、その中でも特に注目を集めているのが「画像生成AI」です。AIがテキストの指示をもとにリアルな画像やイラストを描く時代が到来し、クリエイターやデザイナー、マーケティング担当者など、さまざまな分野で活用が広がっています。
その中でも、OpenAIが開発した「DALL-E 3」は、最新の画像生成モデルとして話題になっています。DALL-E 3は、単なる画像生成AIにとどまらず、より自然で詳細な画像を生成する能力や、テキストの指示を正確に反映する高度な理解力を持つ点が特徴です。前モデルのDALL-E 2と比べても大幅な進化を遂げており、まるでプロのイラストレーターが描いたような画像を瞬時に作成できます。
今回は、そんなDALL-E 3について詳しく解説します。

楽しみだね♪
なぜDALL-E 3が注目されているのか?
DALL-E 3がこれほど話題になっている理由は、大きく以下の3つにまとめられます。
- より高度な画像生成能力
- これまでのAI画像生成では、指示に対して不正確な結果が出ることがありましたが、DALL-E 3ではテキストの意図を深く理解し、より精密な画像を作成できます。
- テキストと画像の統合が可能
- 例えば「ポスター風のデザインで、タイトル部分に『未来の都市』と表示される画像を作成して」と指示すると、DALL-E 3は画像の中に適切なテキストを含めることができます。これは、DALL-E 2にはなかった大きな進化です。
- 直感的で使いやすい
- ChatGPT Plusのインターフェース上で直接利用できるため、専門的な知識がなくても手軽に高品質な画像を生成できます。Photoshopなどの高度な編集ソフトと連携する機能もあり、クリエイティブな作業がスムーズに行えます。
DALL-E 3の基本情報
DALL-Eシリーズの進化(DALL-E → DALL-E 2 → DALL-E 3)
DALL-Eは、OpenAIが開発したAI画像生成モデルのシリーズです。その進化をたどると、AIによる画像生成技術がどれほど進歩してきたのかがよく分かります。
🔹 DALL-E(2021年)
- 初代DALL-Eは、AIがテキストから画像を生成するという画期的な技術を実証したモデルでした。
- 例えば、「オレンジ色のゾウが青空の下を歩いている」といった指示を与えると、それに応じたユニークな画像を作成できました。
- ただし、画質はまだ荒く、不自然な部分も多いという課題がありました。
🔹 DALL-E 2(2022年)
- 初代から大幅に進化し、より高解像度でリアルな画像を生成できるようになりました。
- **「アウトペインティング(Outpainting)」**と呼ばれる機能が追加され、既存の画像を拡張することも可能になりました。
- しかし、テキストの指示に対する解釈がまだ完全ではなく、特に複雑なシーンの表現や細かいテキストの埋め込みには対応していませんでした。
🔹 DALL-E 3(2023年)
- テキスト理解力の大幅な向上 → 指示に対する解釈がより自然になり、ユーザーの意図を正確に反映した画像を生成可能。
- 高品質な画像生成 → 画質がさらに向上し、細部までクリアな画像が作れるように。
- テキストの埋め込み機能 → 画像の中に自然なフォントで文字を組み込むことが可能に。
- ChatGPTとの統合 → ChatGPT Plusのインターフェース上で直接DALL-E 3を利用できるようになった。
- 安全性の向上 → 著作権や倫理的な問題が発生しにくいよう、フィルタリングが強化された。
DALL-E 3は、これまでのDALL-Eシリーズの中で最も使いやすく、かつ高性能な画像生成AIとなっています。
DALL-E 3の主な特徴
DALL-E 3は、これまでの画像生成AIと比べて、以下の点で大きく進化しています。
① 高精度な画像生成
DALL-E 3は、リアルな写真風の画像から、イラスト、油絵、アニメ風のスタイルまで幅広い表現が可能です。特に**「指示に忠実な画像生成」**が得意で、例えば以下のような詳細な指示にも対応できます。
プロンプト例:「冬の森の中で赤いマフラーを巻いた白い猫が、雪の上に座っている。背景には木々があり、幻想的な光が差し込んでいる。」
このような細かい設定を含んだ指示でも、DALL-E 3は高い精度で再現できます。
② 自然なテキスト解釈
これまでの画像生成AIでは、テキストの指示を正しく理解できないケースが多くありました。
例えば、「ピザを食べているロボット」と指示しても、ロボットがピザを食べずにピザと一緒に並んでいるだけ、というような結果になりがちでした。
しかし、DALL-E 3ではテキストの意味をより深く理解し、意図に沿った画像を作成できます。
また、長いプロンプトや複雑な文章でも、自然な解釈を行い適切な画像を生成できるようになっています。
③ 画像内テキストの埋め込み
DALL-E 2までは、画像の中に文字を埋め込むことが苦手で、文字が歪んだり、意味不明な単語になったりする問題がありました。
DALL-E 3では、ポスターや看板のデザインを作成する際に、自然なフォントでテキストを含めることが可能になっています。
例:「広告用のポスターを作成してください。タイトルは『未来都市2025』で、大胆なデザインのフォントを使用してください。」
このような指示を与えると、適切なデザインで文字が埋め込まれた画像を作成できます。
④ ChatGPTとの統合
DALL-E 3はChatGPT Plusと統合されており、ChatGPT上で自然な会話をしながら画像を作成できます。
例えば、「もっとカラフルにしてほしい」や「背景にビルを追加して」などと伝えるだけで、すぐに修正された画像を生成できます。
また、Bing Image Creator(Microsoftが提供するDALL-E 3ベースのサービス)を使えば、無料でも画像を生成できます(ただし制限あり)。
⑤ 安全性と倫理面の強化
AIによる画像生成が普及するにつれ、偽情報の拡散や著作権の問題も指摘されるようになりました。
DALL-E 3では、著作権や倫理的な問題を回避するためのフィルタリングが強化されています。
- 公人(政治家、俳優など)の顔を含む画像の生成は禁止
- 暴力的、違法、性的に不適切な内容の画像は生成不可
- 既存のアート作品やブランドのロゴを模倣する画像は制限される
このような対策により、DALL-E 3は安全に利用できる設計になっています。
DALL-E 3のメリットとデメリット
✅ メリット
- 高解像度かつリアルな画像を簡単に作成可能
- テキストの指示を正確に解釈し、意図通りの画像を生成できる
- ポスターや看板デザインに役立つ「画像内テキスト埋め込み」が可能
- ChatGPTとの統合で、対話的に画像を作成・修正できる
- 安全性が向上し、不適切な画像の生成を防止
❌ デメリット
- 有料サービス(ChatGPT Plus)での利用がメイン(無料版は制限あり)
- 一部のプロンプトではフィルタリングが厳しく、希望通りの画像が生成できない場合がある
- 非常にリアルな画像を生成できるため、偽情報として悪用されるリスクがある
DALL-E 3の使い方
DALL-E 3は、初心者でも簡単に使えるように設計されています。特にChatGPTとの統合によって、テキストのやり取りだけで画像を作成できる点が特徴です。
ここでは、基本的な使い方から、より良い画像を生成するためのプロンプトのコツまで詳しく解説します。
① DALL-E 3の利用方法
DALL-E 3を使うには、以下のいくつかの方法があります。
1. ChatGPT Plus(OpenAI公式)
DALL-E 3は、ChatGPT Plus(有料プラン)を利用することで、ChatGPTのインターフェース上で直接使用できます。
🔹 使い方の手順
① ChatGPT(Plusプラン)にログイン(公式サイトのリンク)
② チャット画面で「DALL-E 3」を選択(画像生成モード)


③ プロンプト(指示文)を入力し、画像を生成


ためしに、「宇宙空間を漂う猫のイラストを描いて」と指示を与えると、


このようなイラストが出力されました。
④ 画像の修正リクエストも可能(「もう少し明るく」「背景を変更して」など)





簡単に生成できるんだね!
🔹 メリット
- 直感的に利用でき、対話しながら画像を調整できる
- ChatGPTとの組み合わせで詳細な指示を伝えやすい
- 画像を生成した後に「もう少し修正して」といったリクエストが可能
🔹 デメリット
- ChatGPT Plus(月額$20)に加入しないと利用できない
- 生成には一定の回数制限がある
2. Bing Image Creator(無料で利用可能)
DALL-E 3を無料で試したい場合、MicrosoftのBing Image Creatorを利用する方法があります。
🔹 使い方の手順
- Bing Image Creator にアクセス
- Microsoftアカウントでログイン(無料登録可)
- テキストプロンプトを入力し、画像を生成
- ダウンロードして保存
🔹 メリット
- 無料でDALL-E 3の画像生成を試せる
- Microsoftアカウントがあればすぐに使える
🔹 デメリット
- 1日の無料回数に制限あり(ブースト回数を使い切ると遅くなる)
- ChatGPTのような対話形式の修正は不可
3. Photoshopとの統合(高度な編集向け)
Adobe Photoshopの「生成塗りつぶし(Generative Fill)」機能にDALL-E 3が統合されており、一部のプロフェッショナル向け編集ツールとして活用できます。
🔹 できること
- 画像の一部をAIで修正・変更(Inpainting)
- 既存のデザインの一部をAIで拡張
この機能はデザイナー向けで、Photoshopの有料プランが必要になります。
② プロンプト(指示文)の書き方
DALL-E 3を使いこなすためには、適切なプロンプト(指示文)を作ることが重要です。
単に「猫の画像を作って」と頼むより、詳細な指示を与えたほうが高品質な画像が生成されます。
🔹 良いプロンプトのポイント
✅ 具体的に書く:「白い長毛の猫が、暖炉の前で丸くなっている」
✅ スタイルを指定:「水彩画風の、幻想的な雰囲気で」
✅ 背景を指定:「背景には大きな窓と雪景色」
✅ 構図を指定:「中央に猫がいて、周囲に暖かい光が広がっている」
詳細な指示を入れることで、より希望通りの画像が作れる!
③ 画像生成の編集機能
DALL-E 3では、一度生成した画像を編集することも可能です。
1. 画像の修正
ChatGPT PlusのDALL-E 3では、「もう少し明るく」「背景を変えて」などの修正指示を出すだけで、AIが自動で調整してくれます。
2. 部分的な変更(Inpainting)
Photoshopなどのツールと連携すると、画像の一部だけをAIで修正することも可能です。例えば:
- 画像の一部に新しい要素を追加(例:「空に飛行機を追加して」)
- 人物の服の色を変更(例:「この人のシャツを赤にして」)
- 背景だけを変える(例:「昼間の風景を夜にして」)
これにより、手軽に画像を微調整できるようになりました。
無料で使える?【料金プラン】
DALL-E 3は、無料で利用することができます(ただし制限あり)。
ChatGPT Plus(有料プラン):
- 料金:月額20ドル
- 特徴:DALL-E 3を含む高度な機能が利用可能。
- 商用利用:生成した画像の商用利用が可能です。
ChatGPT Free(無料プラン):
- 料金:無料
- 特徴:1日あたり最大2枚の画像生成が可能。
- 商用利用:生成した画像の商用利用は制限されています。
ChatGPT Plusに加入することで、より多くの画像生成や商用利用が可能になります。
料金プランに関しての詳細は公式サイト(リンク)をご確認ください。
日本語対応は?
DALL-E 3は日本語に対応しており、日本語のプロンプト(指示文)を入力することで、画像を生成できます。
まとめ
DALL-E 3は、AI画像生成技術の最先端を行くモデルであり、その高精度な画像生成能力と使いやすさで、多くのクリエイターやビジネスパーソンにとって革新的なツールとなっています。
- リアルな画像やイラストを簡単に生成できるため、デザイン・アート・広告・教育などさまざまな分野で活用が期待されます。
- ChatGPT Plusとの統合で直感的な操作が可能になり、誰でも手軽に画像生成を楽しめる時代が到来しました。
- 一方で、生成結果の限界や著作権・倫理的な課題もあり、AIを使いこなすためには注意点を理解しておく必要があります。
DALL-E 3は、これからのクリエイティブ活動において強力な味方になってくれるはずです。



この記事を参考に、DALL-E 3を使いこなしてみてね♪
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